骨伝導ヘッドホン Filltune HP-F200 レビュー

utsuki2008-05-03


(1) 骨伝導ヘッドホン 概要
Filltune HP-F200はTEACから発売された2世代目の骨伝導ヘッドホンです。
骨伝導の仕組みやスペックはメーカーサイトをどうぞ。
鼓膜に負担をかけにくいので、聴覚になんらかのトラブルのある方や騒音環境下での使用で注目されている技術です。
実売\36,000と結構なお値段がしますが、メーカーの10日間無料試聴キャンペーンで借りることが出来たのでレビューします。
 
(2) 従来品と問題点
Filltuneの前モデルや他社製など、今までの骨伝導ヘッドホンでは音質や使い勝手に難がありました。
そこで下記の点が特に主なチェックポイントです。
 ・十分に実用的な音質か?
 ・音漏れは許容範囲か?
 ・製品として作りに問題はないか?
 
(3) レビュアーの耳とか。
9歳で左耳が突発性難聴になり、日常生活に支障がないものの今でも高音域*1の聴力は人並みの半分以下です。
でも中学・高校は吹奏楽部でTubaを吹いてたり、数年前から英語を学習中なこともあり、
試聴音源はポップス、ロック、吹奏楽やら英語のリスニングCDまで色々聞いてみました。
というわけで、レビュアーとしてはどうすかね? TEACさん。
などという邪念が通じたかどうか分からないけど、貸し出し開始で即ゲット出来ましたわ。
ありがたや〜。
 
(4) ハードウェアの印象
申し込みから思ったより早く試聴機が届きました。
パッケージは試聴機用らしく印刷のない簡易的な箱でした。
外観はメーカーサイトを見てもらうとして、気になるアンプのサイズは↓こんな感じ。隣は初代iPod nanoです。

アンプ部の重さは57g。ちなみにnanoは44gだったかな?
思ったよりは軽いですが、これにケーブル類が付くのでちょっと煩わしいですな。
 
ヘッドホンはホームがスライド伸縮式で長さ調整できます。
ただ、幅はあまり変わらないので頭のデカイ私にはちょっときつかったです。
パッドを当てる位置が悪いと、血管の脈動でバクバクしました。
ちなみに骨伝導なので皮膚と接するパッド部分はスポンジやゴムでなく、プラスチックの部品です。

このプラスチック部分が押されてないと音が出ない構造になってます。
たとえば電車内などでアナウンスを聞きたいときに、パッド部を持ち上げれば音がカットされるので便利です。
逆に音漏れの確認をするときは、この辺に注意する必要がありますね。
 
(5) 試聴の第一印象
試聴してみてまず感じたのは、意外とクリアに聞こえると言うこと。
以前試聴したAudioboneという他メーカーの物では電話のようなこもった音ですが、
FilltuneではCD並…は言い過ぎだとしても人の音声の解像度は普通のヘッドホンと遜色ないレベルだと思います。
英語のリスニングにも十分使えそうです。
ただ、そのままでは中低音がちょっと弱いですね。
 
骨伝導で面白いなと思ったのは聞こえ具合。
パッドをもみあげの辺りに挟んで聞くわけですが、パッドとパッドに挟まれた真ん中、首の付け根の中で音が響く感じです。
さらにこれ、耳栓をするとすごく印象が変わります。*2
それまで弱かった中低音が豊かになり、音の解像度がぐっと上がったように感じます。
たとえば5.1chのスピーカーシステムってスピーカーで囲まれたエリア内だけ良く聞こえますが、
あれを微小にして頭蓋内に構築したような感じ。ちと大げさか。
でもあれだ、電脳化ってこういう事か!・・・って思ったよ。
ヘッドホンで耳栓とは何事か。
このへんもっと色々書きたいのですが、長くなったのでまた次回に。(明日と書かないところがミソ)
いや、引っ張ってスマンね。

*1:4000 M Hz以上

*2:骨伝導のレビューで良く出る裏技?